今回はもう1人の転生者のお話。
よくある『踏み台転生者』とも言うか^^;
自分で書いててむかついた内容ですので、読まなくてもいいです・・・いや、読んでw
第3話・転生バンザイ
フハハハハッ、おはよう諸君。
俺様の名は、神條・竜輝(しんじょう・りゅうき)。
『リリカルなのは』の世界に転生したオリジナル主人公、通称オリ主だ。
今の俺様は最高に気分が良い。
前世でのクソッタレな引き篭もり生活等、今では遠い過去に見た悪夢ぐらいに思える程、俺様は上機嫌だ。
二次創作によくあるバランスブレイカーな能力は貰えなかったのが、唯一の不満ってことだな。
クソッ、型月系の能力が欲しかったぜ。
俺様をミスでぶっ殺した癖に、転生特典が少なすぎるぜ、あのクソ天使めっ!
まあいい。
無印なら最強の力を手に入れているから、今の所は問題ない。
転生した以上、メインヒロイン達は俺様の嫁!
俺様のハーレムを邪魔するヤツは全員ヌッ殺してやるZE☆
フフフ、フハハッ、ハーーーーーッハハハハッ!!!
しかし、小学校に通うのは億劫だな。
周りにいるのは、能無しのモブ共だし、授業も退屈極まりない。
まあ、これくらいは我慢するか。
なのは達とのフラグを立てないとハーレムもクソもねぇからな。
公園でのイベントは何時なのはが来るのか解り辛いからスルーした。
アリサとすずかの喧嘩イベントからの参入の方が時期的に動きやすいからな。
ちゃんとイベントに参加できたのは行幸だ。
掴みはOKってヤツだ。
フハハハハッ!!
さてと、ようやく3年生になったか。
淫獣からの広域念話が届けば無印スタートだな。
社会の授業で、将来についてを聞かれれば、その日から俺様が格好良くヒーローになれるって訳だ。
待ち遠しいZE☆
転生時に6歳で自我が覚醒するように言っておいて正解だったな。
前世の記憶を持って、碌に身動き取れない赤ん坊時代を過ごすとか、ただの罰ゲームだろうよ。
なあ、読者様らもそう思わね?
赤ん坊の状態で覚醒とか、俺様なら絶対発狂するね。
身体がガキになった状態で覚醒する方が超楽ってもんだ。
赤ん坊と小学生の身体、比べたら解るだろう?
自由に動き回れる小学生の方が絶対楽でいいよな。
すぐに身体の感覚にも慣れるからよ。
やっぱ俺様は天才だZE。
新しい両親も最高だ。
前世のケチ臭ぇ爺婆なんか目じゃないね。
俺様の父親は、海鳴市に本社を置く神條建設の社長で金持ち。
まあ、アリサん家に比べたらセレブ度は劣るけどよ。
あんま金持ち過ぎると、俺様まで誘拐イベントが発生しちまうからな。
ほどほどでいいぜ。
跡取り息子の俺様が天才だから、何やっても許してくれるし、ゲームやアニメのDVDも望むだけ買ってくれる。
流石に18禁ゲームはダメだったが、不自由なくやりたい放題出来るからいいか。
食いもんもギガ旨なもん食わせてくれしよ。
おっと、飯で思い出した。
はやてとのフラグもそろそろ立て始めないといけないな。
オリ主ってのは忙しいZE☆
ようやく始業式か、メンドクサ。
掲示板を確認するか。
ふむ、クラス替えについては問題ねぇな。
良かったぜ、なのは達と同じクラスだ。
1~2年の時は別のクラスだったからな。
なのは達のクラスに遊びに行く時とか、同じクラスのモブ共が俺様を遊びに誘おうと行くのを邪魔してくるし、鬱陶しくてたまんなかったぜ。
美形オリ主ってのは何もしなくてもクラスの人気者になるらしい。
モテルってのは罪だね☆
ん?
高松このは・・・・だと?
なんだこのパチモン臭ぇ名前は?
もしや、俺様と同じ転生者か?
フフフッ、だとしても、今更介入したところで遅いな。
俺様が既にハートキャッチしてるからな。
ま、あのショボイ天使から特典を貰ったかもしれんが、大した事はないだろう。
俺様は、あのクソ天使からだけじゃなく、上司の神様からも特典を貰ってるんだからな。
手に入れたのは、『Sランクの魔力量』と魔力変換資質『炎熱』、それに男版セイバーとも言える美形な容姿、カードリッジシステム搭載のインテリジェントデバイス『エクスカリバー』。
それに俺様はなのはと違って射撃と近接が出来る『オールラウンダー』ときてる。
完璧だな俺様☆
あのクソ天使が与えられる特典なら、精々が『劣化なのは』だろうな。
魔力量がBランクまでしか付与できませんとか、土下座しながら言ってたし、例え戦っても俺様の負けなどない。
俺様のハーレムを、モブ共に混じって指をくわえて見てるがいいさ。
いや、待て。
名前からすると女か?
ふむ、場合によっては俺様のハーレムに加えるのもありかもな。
マテリアル娘に似てたらアリかも。
フフフッ、楽しみだZE☆
さて、教室に行くか。
・・・いない。
成る程、転校生ってヤツか、パチモンは。
SHRになれば顔を出すだろう。
待つとしよう。
しばらく待っていると、担任の中田先生が教室に入ってきた。
扉の外に小柄な人影が見える。
「・・・っと言う訳で、みなさんとこれから一緒にお勉強するお友達を紹介しますね。・・・・・高松く~んっ」
ようやく登場か。
ガラッ・・・。
なん・・・だと・・・?
ニコニコしながら教室に入ってきたのは・・・。
髪型がショートカットのなのはだった。
しかも、男子の制服バージョン。
男の娘(おとこのこ)・・・だと?
これは予想ガイっ。
きっと前世はコスプレイヤーだったに違いない。
そこまで、なのはに近付きたかったのか、と言うくらい似ている。
「おはようございますっ。そして、よろしくお願いします。渦巻小学校から転校してきた高松このはですっ!」
「にゃぁっ!!?」
ちっ、なのはが驚いている。
コイツは危険だ。
早いうちに釘を刺しておかないと。
「「「「なのはちゃん(さん)の偽者だぁっ!!」」」」
ぐはっ、モブ共五月蝿ぇ!
だが、グッジョブだ。
パチモンは不安そうにオロオロしてやがる。
ザマーミロ。
俺様のなのはがドッペルゲンガーと勘違いして精神病院に入院でもしてみろ、『エクスカリバー』でズンバラリンだ!
あ~、耳が痛ぇ。
モブ共がパチモンの周りで騒ぎまくったからな。
取り敢えずは様子を見るとしよう。
まあ、始業式で暴れるような愚かな事は、パチモンもしないだろう。
・・・・・プッ。
なんだあ、あのパチモン、BランクどころかFランクにも魔力量が届いてねぇぞ。
あれじゃあ、リンカーコアが一応ありますレベルじゃねぇかっ。
ハッ、雑魚過ぎる。
警戒するだけ無駄だっ・・・た・・・ん?
なん・・・だと・・・?
なんで、あのパチモンの首にレイジングハートがぶら下がってるんだ!?
・・・そうかっ!
あのパチモンのコスプレ野郎っ、なのはに代わって自分が主役になるつもりだな。
まさか、ハーレムではなく、なのはの立ち位置狙いだとは・・・。
だが、甘ぇ。
糖尿病のションベンよりも甘ぇ!!
テメェのクソ低い魔力量で主役になろうなんざ、一億年と二千年早ぇわっ!!
もっかい死んで転生しなおしてこいっ!
しかし、このままではマズイな。
無印スタート前になんとかしないと、物語が『魔法少年リリカルこのは』になる。
それだけは阻止しないと・・・。
体育館での始業式終了後、俺様は急いで人のいない場所に駆けた。
パチモンの首にぶら下がってるものがレイジングハートかどうかを確認するために、だ。
周囲を確認してから、金色の水晶が付いたシルバーリングに話しかける。
「おい、エクス」
「なんでしょう、マスター?」
「あのパチモンが首にかけてたのはデバイスか?」
「はい」
「レイジングハートだったか?」
「すいません、流石に機種名までは解りません。私のセンサーでは精々、祈願型のインテリジェントデバイスだという事しか・・・」
「祈願型?」
「はい」
「他に何かあるか?」
「・・・待機状態でも強い意志のようなものを感知したぐらいでしょうか」
「強い意志・・・か・・・」
「はい」
クソッ!
強い意志って事はやはりレイジングハート(不屈の心)かっ!!
デバイスもパチモンだと思っていたが、念のため『エクスカリバー』に確認させて見たらまさか本物とはな。
やってくれやがる、あのパチモンめ。
『念話』で交渉する手も考えたが、無印スタート前になのはが魔法を知る可能性があるから、それも出来ん。
あのパチモンが魔法を使う前に取り返さなければ・・・。
あれは、なのはのものだっ!!
俺様は教室へと走った。
教室に戻ったら、モブ共に囲まれたパチモンがいた。
「悪い、ちょっと通してくれ」
「あ、神條(しんじょう)くん」
モブ共の人垣を掻き分けると、俺様のなのは達と話しているパチモンの前に立つ。
間近で見ると、双子かと思える程なのはと同じ顔をしている。
俺様のなのはを穢されてるような気分になり、怒りがメラメラ湧くZE!!
「それは、なのはの物だ。なのはに返せっ!」
レイジングハートはなのはのものだっ!!
クソ低い魔力量しか持たないテメェが持っていいもんじゃねぇっ!!!
「あんた、何割り込んでんのよ!?」
「私、なんにも取られてないの」
「いきなりどうしたの?」
しまった。
ついカッとなってしまった。
彼女達が、俺様を心配そうに見上げている。
俺様はニッコリと彼女達へ優しい笑みを向けた。
「やあ、今日も可愛いね、なのは、アリサ、すずか。いや、なに。このパチモンのなのはからレイ――いや、ペンダントを取り返そうとしただけだよ」
「「「「はあ?」」」」
あぁ、モブ共五月蝿ぇ。
彼女達がビックリしてるじゃないか。
まったく、これというのも、このパチモンの所為だ。
「さっさとなのはにペンダントを返せっ! このパチモン!」
「何言ってんだ、おま――いや、神條だったか。このペンダントはお婆ちゃんから貰ったモノだ。なんで初対面の・・・えっと、なのはちゃんだっけ? 彼女から盗った事になるんだ? つーか、誰がパチモンだっ!」
「そ、そうなの。私、このはくんになんにも取られてないの」
お婆ちゃん?
見え透いたウソをつきやがる。
しかも、なのはを脅してやがるな、コイツ。
なのはが泣きそうな顔をしてるじゃねぇかっ!
許さん。
「いいから、さっさとなのはにペンダントを返せっ!」
「断る」
俺様はレイジングハートを取り戻すべく、パチモンの首元へ手を伸ばした。
スカッ。
宙を切る俺様の手。
このパチモン、椅子に座ったまま俺様の鋭い動きを避けやがった。
「避けるな!!」
「フッ、甘い、甘い」
クソッ、俺様に恥をかかせるつもりか!?
大丈夫だ、なのは。
すぐに俺様がレイジングハートを取り戻してみせるっ!
ヒョイッ、ヒョイッ、ヒョヒョイッ。
スカッ、スカッ、スカカッ。
クッ、なんてヤツだ。
俺様の鋭い動きを何度も避けやがるとは・・・。
「なのは・・・・・・・・・い・・たい・」
「う・、・のは・・・い」
「・・・・・・・・・襲われて・・・・・、気分悪いの」
なん・・・だと・・・?
こいつ、やはりなのは達に酷い事を・・・。
許すまじ、パチモン。
「くっ! 器用にちょこまかと。なのはと同じ顔じゃなかったら(エクスカリバーで)ぶっ飛ばしてやるのにっ!」
「いい加減、誰かこのバカ抑えてくれよっ!」
ヒョイッヒョイッヒョヒョイッ、スカッスカッスカカッ、ヒョイッヒョイッヒョヒョイッ、スカッスカッスカカッ。
ヒョイッ、スカッ、ヒョイッ、スカッ・・・・・・・。
おのれっ、昨日は夜遅くまでゲームをしたのが祟ったか、全力が出せないでいる。
なのは達が見守っているというのに、クソッ、!!
「・・・・・・・疲れた」
グッタリと机に身体を預けている俺様。
結局、休み時間が終わり、先生が教室に来てしまったので、パチモンとの勝負は流れてしまった。
運の良いヤツだ。
しかし、疲れたな・・・。
二時間目は、クラス替えもあったため、簡単に自己紹介の時間だった。
正直言ってモブ共に興味はない。
なのは達の声だけ耳を傾ければ充分だ。
だが、パチモンの自己紹介は聞いておく必要があるな。
さっきの動き、あれは運動音痴のなのはには出来ない動きだからな・・・・。
あれはきっと何かしらの特典を貰っているに違いない。
「渦巻小学校から転校してきた高松このはですっ! 趣味は食う寝る遊ぶ。前に住んでいた渦巻市では薙刀をやってました。ちなみにあそこに座っているなのはちゃんとちょっと似てますが、赤の他人です。みんな今日からよろしくねっ!」
「「「よろしく~っ」」」
パチパチパチ・・・。
ちっ、パチモン如きに拍手などするなモブ共。
・・・まあいい。
パチモンの動きの秘密が聞けたからな。
しかし、マイナーとはいえ薙刀をやっているのか・・・。
なるほど、シーリング時や魔法を使う時のなのはのように、レイジングハートをクルクル振り回す練習をしたって事か。
馬鹿が。
Fランク以下の魔力量じゃあ魔法はおろか『バリアジャケット』も生み出せねぇだろうが。
所詮はパチモンだな。
フッ、俺様がヤツ如きで熱くなる必要はないってもんだ。
後で軽くシメておけばいい。
二時間目よ、早く終われ。
あっと言う間に三時間目。
おのれっ、パチモンめ。
休み時間突入と同時に逃亡だと?
『サーチャー』さえ使えれば、すぐに追えるというのに・・・。
無印突入までなのはの近くで魔法を使えないのが、これ程の縛りプレイになるとは。
放課後は逃げられると思うなよ、パチモン。
「それじゃ、今日やっていくことはこれくらいかな。よし、みんな席替えするわよ」
ヨッシャアッ!!
席替えイベントキターーーーーーッ!!
オリ主である俺様が座る席は既に確定したも同然。
それは窓際一番後ろの席、そして周囲の席はなのは達。
フフフッ、運命とは残酷なものだよ、パチモンくん。
神の加護があるオリ主にクジ運で勝つ事など出来ぬのだよ・・・。
「みんな、クジを引いたわね。それじゃ、番号を書くから、先生が書き終わってから移動を始めてね」
カッカッカッカッ・・・・。
チョークの奏でる小気味良いリズムに、モブ共の期待に満ちたざわめき。
HAHAHA、モブ共のザワザワ声も今日ばかりは心地好いわ。
さてと、俺様が座る席は・・・・っと。
なんだ窓際ではなく、廊下側の一番・・・・前?
どういう事だ?
ここは流れ的に俺様が座る席は後ろ側だろうが。
ま、まあいい。
周囲の席になのは達が座れば問題ないのだ。
なん・・・だと・・・?
窓際一番後ろの席にパチモン、そして周囲の席になのは達が移動してるだと?
クッ!
あのパチモンめぇっ、そこは俺様が座る席なんだぞっ!!!
まさか・・・いや、そうか。
クジに細工しやがったなぁっ。
なんて野郎だ。
しかし、ここで暴れるわけにはいかんっ。
放課後だ。
放課後まで我慢だ。
クソが、ニコニコしやがって。
例えなのはと同じ顔をしていようとテメェだけは絶対に許さんっ!!
ようやく放課後か。
クックックッ、覚悟しろよパチモン。
はんっ、俺様のなのは達に嫌われたらしいな。
帰りの挨拶が終わった瞬間、パチモンから一斉に離れていったわ。
所詮パチモンよのぉ。
なのは達のハートは既に俺様がキャッチしてるのだ。
近くの席についたぐらいでフラグが立つと思うな、愚か者めっ!!
「おい、パチモンっ!」
「なんだ・・?」
あぁん、なんだコイツ、俺が近付いただけで震えてやがる。
どうやら、格の違いとやらをようやく理解したようだな。
しかし、これでは俺様がイジメをしているように思われる。
それはまずい。
まあ、ここはフレンドリーに校舎裏でO☆HA☆NA☆SHIで勘弁してやるか。
俺様って優しいねぇ。
「話がある。付いて来いっ」
俺様が声をかけると、観念したのかノロノロと立ち上がる。
安心しろ。
無印スタートまで、俺様がレイジングハートを預かるだけだ。
まあ、言わなくても理解してるだろうがな・・・。
「ていっ!」
「?」
なんか後ろから変な掛け声が聞こえた気が・・・・・・。
「・・・・んがっ!?」
ハッ!
顔を上げると、教室には俺様以外誰もいなかった。
・・・・あれ?
俺様、なんで寝てたんだ?
・・・・・・おぉっ!
思い出した。
昨夜はかなり遅くまでゲームしてた所為か、朝からメッサ眠かったんだ。
どうやら、放課後まで我慢出来ずに寝てしまったか。
ハッハッハッ、俺様とした事が居眠りするとは・・・。
むっ、午後3時になっているではないか。
そう言えば腹も減ったな。
よし、今日の昼飯は翠屋で食おう。
この時間帯なら、なのはのお手伝いする姿も見れるだろうし、一石二鳥だZE☆
お手伝いのなのはを気遣って、さらにフラグを強固にするのもありだな。
フハハハハッ、流石俺様。
なんて隙の無い男だろうか、フフフッ。
さて、そうと決まれば翠屋に行くとしよう。
・・・はて、寝違えたかな?
どうも、首の付け根がちょっと痛むな。
まあ、いいか。
今日は何を食おうかな。
3話・転生バンザイ・完