俺のスタンド 第16話 です。
物語もようやく折り返し地点だか、クライマックスへと近づいてきましたw
今回は、アノ人が登場します。
新キャラの登場です。
さあ、おしみない拍手を。
H成分皆無ですが、18禁です。
俺のスタンド 第16話
10月初頭の約束された日、俺と美里は黒崎慶一郎なる人物に会うため、東京に来ていた。
前日、秋葉原駅近くの某ホテルで宿泊し、部屋に荷物を置いてから2人で街を歩く。
俺が10代の頃は電気街で有名な街は、今ではオタク街と思わず言いたくなりそうな素敵な街に変貌していた。
同人誌を扱ってる店がやたら目に付いて面白い。
地方出身な俺には、街が輝いて見える(オタク的視点ねw)。
俺の横を歩く美里からは、あまり好ましくない雰囲気を感じたが、気にせず歩いてみる。
不機嫌そうな表情をしている美里だが、その足取りは軽快で、俺の方が遅れがちになってしまう。
朝8時の秋葉原駅周辺は、静かで歩きやすかった。
ただ、朝早過ぎで、開いている店が少ない。
観光は、会合が終わってからにしようと、俺は1人肯いた。
「あの・・・ご主人様?」
「なに?」
「私達、少々目立つのではないでしょうか?」
「ん? 気にしない、気にしない」
「・・・・はい」
すれ違う人達の視線が気になるのか、美里はボソリと俺に訊ねてきた。
まあ、確かに目立つかも知れない。
美里は美人だからね。
目鼻だちの整い方が鋭角的な北欧テイストの美貌の持ち主で、175センチの長身に、スラリと伸びた足と、Gカップは確実にあるだろう胸。
服装も、ピシッとしたダークグレイのビジネススーツに、黒いハイヒール。
髪をアップに纏めた知的な感じも堪らない。
出勤途中の美人秘書に見えなくもないな。
ただ、朝日に輝く金髪とブランド物のサングラスが、美里をマフィアの情婦に見せかけているような気もする。
「ご主人様は、その・・・恥ずかしくありませんか?」
「どうして?」
「・・・失言でした」
「あっそ」
ショーウィンドゥに映る自分達の姿を見る。
美里と俺が映っていた。
マフィアの情婦とゴスロリ少女が見える。
「似合わない、これ?」
「いっ、いえ・・・・・可愛い・・です」
少女の姿は俺だ。
美里の調教をしながら、俺は自分の肉体を新しく作り変えたのだ。
9月の終わりから10月の頭まで、わざわざヨーロッパ旅行に行ってデザインしたボディなのである。
俺の新しい姿は、金髪グラマーシーメイルな美里のコンセプトと逆方行にしてみた。
腰まで届きそうなストレートの銀髪に、スレンダーで小柄な体躯。
美里が妖婦なら、俺は妖精と例えればいいかな。
いやぁ、苦労したな、うんうん。
服装の方は、フリルとリボン満載の黒を基調にしたドレスに、ショーティな黒革ブーツ、ヘッドドレスも黒い薔薇のレース付き。
ちょっとイタげな女の子って感じかな?
でも、ほら、秋葉原だし、そんなに恥ずかしくないって・・・・。
まったく、美里は気にし過ぎだな。
クスクス笑いながら、俺は美里の手を引いて聖地巡礼。
おお、なんか視線を感じて楽しいぞっ!
小1時間ほどの散歩を楽しんでから、タクシーに乗り目的地へGO。
場所は雑居ビルの3階、『桂木経済研究所』の看板のかかった事務所だ。
「さる御方の計画で、是非とも美里さんをスカウトしたいのですよ」
と、事務所に到着するなり、行き成りきり出された。
相手は初老の男、黒崎慶一郎だ。
俺と美里の手には、彼の名刺が渡されていた。
予想通り、美里の身請け話の相談のようだ。
さて、どうやって断るか・・・。
黒崎氏を観察してみる。
俺と美里に対して愛想よく振る舞い、丁寧な言葉使いで接しているが、堅気の人間ではない暗い雰囲気が感じられる。
要するに、この男を怒らせると酷い目に会わされるぞ・・・そんな不気味な迫力を忍ばせている男なのだ。
やれやれだぜ。
とんだ相手に見初められたか、美里。
俺は、桂木経済研究所の事務所の応接ソファに座り、黒崎慶一郎と向かい合っていた。
「スカウト・・・ですか?」
応接ソファに踏ん反り返るように腰掛けた俺は、美里を後ろに立たせた状態で待機させる。
その様子に黒崎氏は、微妙な表情をした。
「失礼ですが、お嬢さん。お嬢さんは何故、美里さんと一緒に来られたのですか?」
「俺がNAOと言ったら?」
「っ?! ・・・・失礼、あなたがNAO様でしたか。申し訳ない。てっきり男性の方が、美里さんのマスターだと思っていましたので・・・。驚きました」
「でしょうね」
流石に俺が若い少女の姿だったとは予想外らしく、黒崎氏は少し戸惑っているような感じだ。
オジサン以上爺様未満の男とダラダラ会話したくもないので、さっさと向こうの手札を見せてもらわないとね。
付き纏われたら、明らかに面倒な事になりそうだからな。
「それで、アマチュアなプレーを楽しんでるだけの美里をスカウトして、何をさせるんです?」
「あ、あぁ。・・・失礼、そうでしたね」
「どうしました?」
「たびたび失礼な事を申し上げて恐縮なのですが・・・こちらから1つ質問してもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「美里さんと同棲している方は、沖田直人さんだと私どもは調べあげています。いや、失礼、決してあなたを認めていない訳ではありませんし、あなたがたのプライバシーを侵している訳ではないんですよ。調査報告にはNAO様の影すら感じなかったもので、正直戸惑っています。美里さんのマスターがあなただと信じられないものですから」
「ふ~ん」
「そう不機嫌そうな顔をしないでください。私も業務上仕方なくやっていますので、ご容赦ください」
「信じる信じないは、そっちの勝手。美里の主人が俺だと言うのは変わらないよ」
「わかりました、では、あなたの言葉を信じて話を続けましょう」
「要するに、金をいくらか積むから、美里を売れって話がしたいんでしょ?」
「ちがいます、ちがいます。あなたは曲解なさっている。そういう提案ではないのです。私どもの計画に、美里さんにも参加していただきたいのです。それに、金銭で簡単に事が運ぶなら、拉致した方が安い。こうして、交渉するのはお互いの利益のためだと思っていただきたいですね」
「まぁ、いいや。で、計画って?」
「ええ、最初から順序よく説明しましょう・・・」
やれやれ、思ったとおり性質が悪い相手だ。
探偵等を雇って俺達の事を調べたらしい。
それに、拉致なんて言葉をさらりと言う辺り、気が抜けないな。
「さる御方の計画とは、こうです。美しい女装者や性転換美女を掌中において、いわば、ペットのごとく愛でる、手元においてコントロールしたい、と望んでいるのです。メンバー・シップ制をとって、厳選されたメンバーで『女装愛好者達を愛でる』と、ま、そういう計画です。女装愛好者といっても様々なバリエーションがあるようで、男の名残りが残っている者、どう見ても女には見えない女装者、性転換してどこから見ても女としか思えない元男まで、好みのタイプは色々あるようで、いやはや、世の中には色々な趣味の人がいるものです」
「うんうん、イイ趣味してるね。解る、解るよ」
「そういった趣味をお持ちの方々の中に、さる御方がいましてね。その計画のコーディネイターに指名されたのが、私という訳です。しかも、私としては、断われない立場でしてね。計画に必要な人材などを集めている訳です」
「その、『女装愛好者達を愛でる』会に、美里を参加させたい? と、言う事ですか?」
「そのとおりです。私どもは『サルマキス・クラブ』と呼んで、『女装愛好者達を愛でる』会を運営しております」
「サルマキス?」
「ええ、『サルマキス』と言うのは神話の妖精の名前で、サルマキスが恋焦がれた少年と自分の体とを1つに融合させたという逸話があるので有名ですね。両性具有の状態に近い彼女達にピッタリのネーミングだと思いませんか?」
「はぁ・・・・・・で、その『サルマキス・クラブ』って?」
「要するに、売春組織ですな、前払いで会員制の」
と、黒崎氏は『サルマキス・クラブ』の実態をあっさりと言った。
「ふむ、美里に売春させたい、と?」
「ええ、できれば・・ですけど。別に無理して体を売る必要はありませんよ。ネットで流していたショーを私どもの舞台で演じてくださればいいのです。美里さんの痴態に魅せられた会員達が多かったものですから、その中にもさる御方がいましてね。『サルマキス・クラブ』で行うショーに是非とも参加して欲しいと、私が交渉役として、あなたがたに御足労願ったという訳です」
「でも、結局は美里に『売り』をさせるんでしょ?」
「それは、ケース・バイ・ケースですね。私の仕事は会員と彼女達の間で交渉するだけですから、決めるかどうかは、美里さん次第じゃないでしょうか? 断られた場合は、断られたと会員の皆様に説明するだけですしね」
黒崎氏は売春組織の交渉役といったところか。
しかし、会員制の売春組織って、どんなものなのか興味が湧いてくる。
一般に知られていないアンダーワールドでの秘密めいたショーも興味津々だ。
「ふむ・・・・美里」
「はい」
無言のまま成り行きを見守っていた美里に、俺は質問する事にした。
「ここでチ○ポ狂いのオカマとして体を売れ・・・と、命令したら聞くか?」
「・・・・はい」
酷く意地悪な質問だが、美里は了承らしい。
「俺がそんな命令をしない自信がある『はい』なのかな?」
「いいえ」
「ほう」
「わ、私はご主人様の命令なら何でも・・し、従うと誓いましたから」
「だとさ?」
「そうですか。それなら話が進めやすいですな。しかし、私が言うのもなんですが、NAO様は意地が悪い」
黒崎氏はずいぶん楽しそうな表情をしていた。
その笑顔の背後には冷酷なものが窺えるのだが、すぐに表情を引き締めて口を開く。
「どうか早まらず、美里さんと手を切るような言動はしないでください」
「と、言うと?」
「失礼ですが、美里さんはかなりNAO様に依存している風に窺えます。お2人を引き離す気はございませんので、どうか早まった答えを出さないでいただきたい」
「あら? てっきり棚ボタと言わんばかりに美里を連れていくと思ったけど。なんで?」
「ふう、ずいぶんイイ性格でいらっしゃる、NAO様は」
「ふふっ・・・」
「先程も申したように、美里さんのNAO様への依存度は高いと判断します。主人としてのあなたが、美里さんの裡に深く刻印されていると見ます。ですから、別の人間では代替はききません。美里さんには、あなたが不可欠なのですよ」
「えっと・・・それで、どうしろと?」
「そこで、提案ですが、私どもの計画に加わっていただけませんか? 解りやすく言うと、NAO様、あなたと手を組みたい」
「へぇ~、メリットは?」
「そうですね・・・。例えば、ネットで有料配信されている動画。あれの撮影協力をします。私も拝見しましたが、美里さんという素晴らしい素材を活かしきれてないと思います。私の撮影スタッフなら、さらにグレードを上げられる自信があります。それに、衣装や道具、場所等も協力できますよ。素人のお2人だけだと、限界もあるでしょうし、如何でしょう?」
「いいねぇ、それ」
「それと、『サルマキス・クラブ』で行うショーは場末のキャバレーのように毎日しなくていいのです。ショーを行う日時は、こちらから指定しますし、ショーの準備から練習等は私のスタッフが全面プロデュースしますよ。こちらには、風俗関連に造詣が深い男がいます。ま、計画を立ち上げた当初からアドバイザーのような役割で協力してもらっている人物でして、SM等にも詳しい。彼の指導を受ければ、美里さんはM奴隷として、さらに光り輝く事ができると考えます」
「至れり尽くせりだね。で、デメリットは?」
「う~ん、そうですねぇ。やはり、『売り』を求められるケースですね。どうですか、美里さん? NAO様以外の方に抱かれるのは嫌でしょうか?」
「嫌ですっ! でも・・・それがご主人様の命令なら、私は従うだけです」
「ふむ・・・ではもう1つ、美里さんはネットで配信されているアレと同じ事を、大勢の人の前でできますか?」
「・・・それがご命令なら」
「どうも、美里さんは乗り気じゃなさそうですね。NAO様は、どうなのです? NAO様は、乗り気のように思えますが」
「俺は面白ければ、どうでもいいけどね」
「ふむ・・・」
黒崎氏は腕を組んで考えていた。
俺としては、『サルマキス・クラブ』とやらに興味がある。
色々なニューハーフやシーメイルに出会うチャンスだからだ。
それに、実際の話、有料サイトを運営が楽ではないという理由もある。
動画の撮影等は正直、俺1人で演出と撮影、それに編集までするからキツイんだよなぁ。
正直、黒崎氏の提案は渡りに船だ。
桂木経済研究所の応接間で長いようで短い沈黙の時間を過ごす。
美里の方を見ると、覚悟はできているといった雰囲気が感じられた。
俺がいかがわしい世界に入り込むのを予め教えておいたからだろうな。
イイ女だ、美里。
どこまでも、俺についてくるらしい。
そんな暫しの沈黙を破ったのは、やはり黒崎氏だった。
「・・・おっと、もうこんな時間ですか。お呼び出しして、申し訳ありませんが、今日の交渉はここまでと言う事にしませんか?
今夜の『サルマキス・クラブ』のショーの打ち合わせ等がありますので、私はこれで・・・」
「あっ、待った」
時計の針は正午になり、交渉は一時中断となろうとしている。
が、黒崎氏の言葉を俺は止めた。
「なんでしょう?」
「あのさ、見学ってできる?」
「・・・・」
俺の言葉に、黒崎氏は意外といった表情をした。
「残念ながら、原則として信用のおけない方は、お招きできないのですが・・・」
「じゃあ、美里のスカウトは、これっきりなし! の方向で」
「む、弱りましたね。・・・しかし、会員の顔を見られるような真似は、こちらはしたくない。NAO様もご理解と思いますが、信用と実績が利益を保証する世界ですから、その申し出は困ります」
「だろうね」
「はい」
「そこで、俺からの提案なんだけど、いいかな?」
「ええ、どうぞ」
「美里はまだ調教途中でさ、1人で舞台に立てないと思うんだよね」
「ふむ、そのようですね。どうぞ、続けて」
「それでね、美里と俺のペアでショーに出るってアイデアは、どうかな?」
「は? あ、いえ、失礼。驚きました。それは、つまり『サルマキス・クラブ』にペアでなら所属して戴けるととってよろしいのでしょうか?」
「うん」
黒崎氏は初めて相好を崩した。
今の黒崎氏には先程までの冷たさは感じられない。
本心から楽しそうに見える。
「ははは、面白い。今日はよく驚かされますな。NAO様は、見た目以上に面白い。いえ、失礼。素人さんとばかり思っていたのですが、あなたは外見から想像できないくらい私ども拠りの人間なんですね」
「そりゃ、どうも」
「いいのですか? 1度でも、こちら側を覗いたら、2度と戻れなくなるかもしれませんよ?」
「元から俺はそのつもりだけどね」
「ほう」
「美里はどうする? 俺1人でも見学させてもらうよう交渉するつもりだけど」
「・・・ご主人様に付いて行きます。私の意思で、どこまでも・・・」
「お2人とも覚悟がおありという事ですか? けっこう。ところで最後に1つ訊ねてもよろしいですか?」
「どうぞ」
「最初に聞くのを忘れていたのですが、美里さんの股間のモノは作り物でしょう?」
「美里」
「はい」
「スカートを脱いで黒崎さんにお見せしろ」
「っ! ・・・・は、はい」
美里はスカートを脱ぎ、足元にストンと落とす。
赤いビキニタイプ・ショーツとガーターベルトで飾られた下半身が晒された。
「ほう・・・これは、また見事な」
黒崎氏はマジマジと美里の股間を見つめていた。
美里の穿いたショーツからは、ペニスの先端がはみ出しており、ピクピクと美里の呼吸に合わせて揺れる。
「美里、パンツも脱げ」
「はい・・・・あっ」
「これは、本物?」
外気に開放された美里のペニスが、ムクムクと膨張し始めた。
見られて興奮しているのだろう。
黒崎氏は言葉を失っていた。
「・・・どうです? 美里のチ○コは?」
「ふぅ・・・・・・・いや、これは驚きました」
「なんなら、ここで1発射精させてみますか?」
「いや、けっこう。もう充分です。どうぞ、脱いだものを着てください」
「美里、着ていいぞ」
「はい・・・」
半勃ち状態のモノをモゾモゾしながら、美里はショーツとスカートに押し込み隠す。
だが、美里のスカートはタイトなために、股間がモッコリと膨らんでいる。
美里の様子を見ながら、黒崎氏はハンカチで額の汗を拭っていた。
「・・・・驚かされてばかりですな。交渉場所に私の事務所を選んだり、美里さんのモノが本物だったり、NAO様が可愛らしいお嬢さんだったり、参りましたね」
「で、俺達は合格なのかな?」
「ええ、合格ですね」
黒崎氏は俺の前に右手を差し出した。
俺は、それを握る。
「私どもと契約して戴けますね?」
「もちろんっ」
握手の後、黒崎氏は応接室の扉を開ける。
「細かい契約交渉は後日行いましょう。今、車を表にまわさせます。どこかで食事をしてからの見学になりますが、よろしいですか?」
「いいよ」
「了承しました」
黒崎氏と共に応接室を出る。
事務所の前に横付けされたワインレッドのワゴン車に乗り込む時、目つきの悪い運転手がボソリと呟く。
「ようこそ、アンダーグラウンドへ」
さあ、これからもっと楽しくなるぞ。
怖気づいている美里を横に、俺の胸は期待でドキドキしていた。
『サルマキス・クラブ』には、どんなシーメイルがいるんだろうと・・・・・。
・・・・もうちょっとだけ続くんじゃ